2007年10月25日(木)「しんぶん赤旗」
視覚障害者対応ATM
3年で3倍に
銀行が利用しやすく
佐々木議員に金融庁答弁
障害者の運動実る
|
銀行が設置する視覚障害者向けのATM(現金自動預払機)が、三年で三倍以上に増えていることが二十四日、分かりました。視覚障害者の団体と日本共産党が数年来、要望し続けてきたもので、関係者からは「銀行が利用しやすくなる」と喜ばれています。
同日の衆院財務金融委員会で、日本共産党の佐々木憲昭議員の質問に金融庁が答えました。
視覚障害者対応のATMは、機械操作のボタンに点字表示をしたり、取引金額や残高を確認できる音声案内の機能を加えたものです。郵便局(ゆうちょ銀行)ではすべてのATMで対応してきましたが、銀行、信金・信組の取り組みは遅れていました。
金融庁によると、都市銀行の障害者対応ATMの設置数は、二〇〇四年五月末時点の三千四百六十台から〇七年九月末には一万一千百十台と三倍以上に増加しました。銀行全体のATMに占める比率も、同9・6%から29・0%に上昇しました。
佐々木議員は、障害者団体の運動と力を合わせ、国会でもこの問題を取り上げ対応を求めてきました。〇五年の参考人質疑では全国銀行協会会長が「どなたでも簡単に利用できるように、対応策の検討を進める」と答弁していました。
二十四日の委員会を傍聴した全日本視覚障害者協議会の山城完治さん(51)は、「銀行は生活に欠かせない場所。使いやすくなることはうれしい」と語ります。
佐々木議員はこの日の委員会で、視覚障害者の要望が強い「代書・代筆問題」についても取り上げ、「プライバシーを守りながら、複数人で確認するなどの方法をとるよう金融機関に徹底するべきだ」と求めました。金融庁の西原政雄監督局長は、「(障害者への)サービスが不当に制限されることのないようにする」と対応を約束しました。
|