2007年10月6日(土)「しんぶん赤旗」

サービス残業代227億円

是正指導で1679社払う

06年度


労働者の告発 党の追及反映

 過労死や過重労働の温床になっているサービス残業について、労働基準監督署から是正指導を受け、百万円以上の残業代を支払った企業数が、調査を始めた二〇○一年度以降で最高となったことが五日、厚生労働省が発表した○六年度の調査結果で分かりました。

 百万円以上の残業代を支払った企業は千六百七十九社。支払総額は前年に及ばなかったものの、二百二十七億一千四百八十五万円にのぼり、〇一年度以後の累計で千七十八億円となり一千億円を超えました。企業数も累計で六千八百四十社になりました。

 正規労働者の削減や成果主義賃金の広がりが長時間労働に拍車をかけている一方で、労働者の告発や日本共産党の追及が反映した結果です。

 是正指導を受けた企業が最も多かったのは製造業の四百三十社。支払った残業代では、金融・広告業が六十九億八千九百二万円で首位でした。

 平均支払額は千三百五十三万円で、労働者一人当たり十二万円。一社当たりの最高額は十二億三千百万円(金融・広告業)、次いで八億七千二百八十七万円(同)、四億六千九百六十万円(製造業)でした。

 厚労省は、「企業側に適正な労働時間管理が定着していない」(労働基準局監督課)と指摘。サービス残業に対する問題意識の高まりで本人や家族から相談が多く寄せられ、指導の拡大につながっているとしています。

 日本共産党は、一九六七年以来、三百回近い質問でサービス残業問題を取り上げ、〇一年四月に厚労省にサービス残業根絶の通達を出させるなど根絶を求めてきました。さらに監督を強めるとともに、悪質な企業名の公表や不払い残業代を二倍にして支給させるなどペナルティー強化を主張しています。



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