2007年9月4日(火)「しんぶん赤旗」

授業料

東大が免除枠広げる

学生の運動実る 1割超が対象に


 東京大学が来年度から、親の収入が低い学生を対象に授業料を全額免除する制度を導入します。来年度の入試案内で「世帯の給与収入がおよそ四百万円未満の学部学生の授業料を全額免除」すると明らかにしました。学生や父母、大学関係者の運動が実ったものです。

 同大学の学部の授業料は年五十三万五千八百円。「所得の関係で受験をあきらめることのないようにしたい」(丸山正美・奨学厚生グループ長)と、制度を導入しました。

 同大学の生活実態調査では、主に家計を支える親などの年収が四百五十万円未満という学生が、13・7%を占めています。来年度からの授業料免除制度は、新入生はもとより「学部在校生も対象となる」としており、全額免除の対象者は、学部学生の一割を超すとみられます。

 現行の授業料免除制度は、家庭の収入のほか、家族構成などを勘案するもので、免除を受けている学生は、全額免除と半額免除をあわせても全学部学生の2・8%(昨年前期)にすぎません。新しい制度は授業料免除枠の大幅拡大です。

 教養学部学生自治会は学費負担の軽減を求める署名活動をすすめ、学費免除についても〇五年十一月に大学副学長から「この水準以下であれば基本的に授業料免除になります、というある種のガイドラインを示したい」との回答を得ていました。

 教養学部学生自治会執行部の学生は、授業料免除の枠が大幅に拡充されたことについて、「大きな成果です。学生の力で、大学を動かすことができたことは確信になります。引き続き学費負担の軽減をめざして大きなとりくみをしていきます」と話しています。



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