2007年8月17日(金)「しんぶん赤旗」

無我夢中の1カ月

市民ら黙とう 復興願う

中越沖地震


 中越沖地震から一カ月になる十六日、柏崎市では、仮設住宅や市庁舎などで地震発生時の十時十三分に犠牲になった十一人を悼み黙とうをしました。

 被災地では仮設住宅への入居がピーク。「駅前ふれあい団地」仮設住宅で引っ越しの手を休めて黙とうをした男性(68)は「一カ月というのはあっという間に過ぎたようでもあり、まだ一カ月しかたたないのかとも感じるし無我夢中。先を考えると不安になる」と語り、涙ぐみました。「いままで思い出さなかったが、防災無線で黙とうを呼びかけられて、家が崩れたあの時を思い出した」と、語りました。

 被災地は、緊急対応の時期から再建・復興にむけて歩み出す時期に入ったものの、「時がたつにつれて自分のたっている事態の深刻さに不安でいっぱい」というのは、仮設で暮らす女性(61)。「今までは一瞬一瞬をどう生きていくかで精いっぱいでしたが、だんだんと時間がたつにつれて不安が増してきました。先行きが不透明で希望の光が見えない」と目頭を押さえます。

 一カ月過ぎてもライフラインは、柏崎市内の都市ガスの復旧が遅れて千九百七十三戸で供給ができていません。避難所で暮らす被災者は、柏崎市だけでも五百五人、出雲崎町、刈羽村などを含めると約六百人を超える人たちが避難所生活で行き先が決まっていません。

 全壊家屋だけでも一千戸を超え、住宅再建が最大の課題ですが、「後片付けも手についていない」と、被災者は行政のきめこまかな支援を待っています。



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