2007年7月30日(月)「しんぶん赤旗」
壊れた家 どうすれば
中越沖地震2週間
死者十一人、重軽傷者約千九百人の被害をだした新潟県中越沖地震。住家被害は約千棟が全壊したのをはじめ、損壊家屋は一万九千棟にのぼりました。被災から三十日で二週間。道路やライフラインの復旧作業が急ピッチで進む中で、住民の生活復興にむけた歩みはまだ始まったばかり。長引く避難生活に疲労と不安の色を濃くしています。(阿曽隆)
被災した十九市町村で最も被害の大きい柏崎市。最大で一万一千三百四十八人が避難生活を送った避難所は、二十八日で六十五カ所、いまだ千六百四十人が残っています。世帯数の二割にあたる約七千世帯で断水が続き、都市ガスは90%で復旧していません。
住宅に大きな被害を被った被災者にとって、住宅の再建にむけての不安は深刻です。
避難所生活をしている女性(69)。夫に先立たれ、独り暮らしだった住宅は、屋根が大きく壊れ、水も電気もとまったまま。屋根にビニールシートをかけることもできず、その後降った雨で二階の天井は抜け落ちてしまいました。
「年金でやっと暮らしているのに壊すだけで二百万円もかかるという。どうすればいいのか、絶望するばかりです」
中越大震災など、度重なる災害にもかかわらず、国は被災者生活再建支援法で住宅本体の再建に直接支援することを拒み続けています。使える制度はたとえ全壊でも、所得制限や世帯要件などの制約があり使いにくい。国の制度と被災者の実情との矛盾は明らかです。
■関連キーワード