2007年7月20日(金)「しんぶん赤旗」
中越沖地震・柏崎刈羽原発
周辺住民に不安と怒り
新潟県中越沖地震で火災や放射能漏れなどが発生した柏崎刈羽原発(東京電力)に対して、原発のすぐ近くに住む刈羽村の住民からは不安と怒りの声があがっています。
原発の横を通る国道は至る所でひび割れ、正面ゲート近くにある刈羽トンネルは天井が落ち、道路が波打っています。
同村では約百三十棟の住家被害がでていますが、大半が原発付近の滝谷地区、十日市地区に集中。傾いた家やつぶれた家が並び、住民ががれきの撤去や、家財道具を運び出す姿が見られました。
壊れた自宅の片付けをしていた滝谷地区の農業の男性(54)は、原発から黒煙があがるのを見て強い不安を感じました。
「活断層が真下にあったというから驚きです。安全への態度に疑問を持ちます。東電は国からばく大な補助金をもらっているのだから社会的にもきちんと責任をもつべきだ」と憤ります。
避難所生活を送る六十八歳の男性は東電関係会社で働いています。「以前は(原発も)仕方がないと思っていたが、今回のことはちょっとね」と複雑な表情を見せました。「火が出たと分かったときは、まさかと思ったし、やっぱり怖いもんだと思ったよ。でもね、どこにも行くところはないし、ここで生きていくほかない」と語ります。
十日市地区の男性(58)は「放射能が海にも大気中にも漏れ出た。不安です。情報を小出しにする姿勢にはますます不信がつのります。活断層があるということは市民も指摘、主張してきたが認めてこなかった。市長の停止命令は当然です。住民にきちんと説明し、情報公開し、住民が十分納得するまでは操業再開は許されない」と話しました。(阿曽隆、栗原千鶴)
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