2007年7月4日(水)「しんぶん赤旗」
横須賀港の浚渫中止求め提訴
原子力空母配備に反対 原告649人に
神奈川県米海軍横須賀基地(横須賀市)への原子力空母配備に反対する人たちでつくる「『ストップ原子力空母母港裁判』を進める会」は三日、同市の横浜地裁横須賀支部に、国を相手に同空母配備のための横須賀港を掘り下げる浚渫(しゅんせつ)工事の差し止めを求める民事訴訟を起こしました。原告は首都圏など各地から集まった六百四十九人です。
同会は、提訴後に市役所で記者会見しました。差し止めを求める理由として、(1)浚渫工事で港の底の有害物質を含むヘドロが拡散し、港周辺住民の生命や健康の被害、漁業被害が発生する危険性がある(2)原子力空母が配備されれば原子炉事故・放射能漏れが起こる危険性があり、横須賀周辺百六十五キロメートル以内(首都圏、静岡県、長野県東部)の住民が放射能汚染などの被害を受ける恐れがある―と主張しました。
原告弁護団の呉東正彦弁護士は、「(原子力空母)の被告(国)による安全審査は何らなされていない」と指摘し、「原告ら一人ひとりの人格権に基づいて、浚渫工事が差し止められなければならない」と訴えました。
浚渫工事は十日から中旬あたりに着工予定で、同会は同工事の差し止めの仮処分も申し立てる予定です。
提訴には原告、弁護士ら約六十人が集まりました。原告となった日本共産党のはたの君枝前参院議員(参院神奈川選挙区予定候補)も参加しました。
同会は引き続き原告と会員を募集しています。
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