2007年6月29日(金)「しんぶん赤旗」

ひき肉偽装

ミート社 労組結成

「もの言えぬ職場」問う


 食肉の表示偽装などをした食肉加工製造卸会社ミートホープ(北海道苫小牧市、田中稔社長)の従業員たちが、苫小牧ローカルユニオン(森下克弘委員長代理)に加入、ミートホープ分会を結成し、そのうちの三人が二十八日苫小牧市役所で記者会見しました。

 ユニオンは、同社が解雇を通知する二十九日に、解雇撤回などを求める団体交渉を申し入れています。

 記者会見した横岡リツ子分会長(55)=準社員=は「会社側は非公開の従業員説明会(二十六日)で、一方的に『明日から来なくていい』と言った。私たちは暮らしていけない」と語りました。

 同社は、二十四日に家宅捜索をうけ、二十六日に全従業員解雇を発表。従業員たちは二十七日に苫小牧地区労連(伊藤富士夫議長)に相談し、一人でも入れるローカルユニオンに加入しました。団交に向け、未加入の従業員たちに組合加入を呼びかけています。

 横岡分会長らは、「消費者の方に申し訳ない」「給食などに偽装があって、胸が痛む。働いていたみんな同じ気持ちです」と真摯(しんし)なおわびを表明しました。パートの組合員は、「ニュースからでは自分たちの思いが伝わっていない」と、声をあげる決意をしたと語りました。

 ユニオン側は、ミートホープが雪印食品や不二家製菓など「食の安全」の事件の教訓を生かさず、従業員が「ものを言えない職場」をつくって偽装を続けていたことは、企業の社会的責任が問われると主張しています。

 ローカルユニオンの森下委員長代理は「企業の責任をすべて労働者に転嫁することは許されない。真実を明らかにし、解決にむけ頑張りたい」と語っています。



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