2007年6月20日(水)「しんぶん赤旗」

学力テスト

委託で ずさん採点

井上議員追及 正誤たびたび変わる


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(写真)質問する井上議員=19日、参院文教科学委員会

 日本共産党の井上さとし議員は十九日の参院文教科学委員会で、文部科学省が四月に実施した全国いっせい学力テストの採点のずさんな実態を明らかにし、安倍内閣の立場をただしました。

 同テストは、小学六年生百十七万人、中学三年生百十六万人を対象に実施され、中学生のテストはNTTデータに委託されています。井上氏に対し銭谷真美初等中等教育局長は、採点には約三千人が携わり(六月十五日時点)、そのうち二千七百人が、派遣会社十一社からの派遣労働者であることを明らかにしました。

 井上氏は、「私の調査では派遣社員の八割がグッドウィルだ。『消えた年金』で問題のNTTデータと、介護で不正をしたコムスンの親会社であるグッドウィル。教育には縁のない企業だ」と指摘。正誤の判断基準がたびたび変わり、同じ答えが正解になったり誤答になったりしている実態を、採点に携わる労働者から直接聞いた話ももとに紹介。「これでは消えた年金と同じ。正解が消えてしまう」と全貌(ぜんぼう)の調査を求めました。

 伊吹文明文科相は「ご指摘のような事実が判明している。不利益のないよう、もう一度解答を見直すよう指示している」と答えました。

 井上氏は、「こういう混乱が起きるのは、全国一律テストにしたためだ。学力の把握・分析のためなら抽出調査で十分だ。教育の一部である採点を素人集団にまかせたからだ。全国一律のテストは教育に競争原理を持ちこむためだけのものだ」とのべ、安倍内閣の教育政策を批判し、教育三法案の廃案を求めました。


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