2007年6月20日(水)「しんぶん赤旗」
大学運営費交付金に成果主義
文科相「私は認めない」
井上氏質問
日本共産党の井上さとし議員は十九日の参院文教科学委員会で、政府が教育研究成果に基づいて国立大学の運営費交付金の配分をしようとしていることを指摘し、「これでは大学の教育研究基盤が困難になる」と試算の撤回を求めました。
伊吹文明文部科学相は「私はこんなものを認めたわけではない。科研費(科学研究費補助金)の配分割合で、運営交付金を配分するのはありえない」と異論を唱えました。
財務省は五月に成果主義にもとづく運営費交付金配分の試算を発表しました。運営費交付金が50%以上減少する大学法人は五十法人にのぼっています。下位は、軒並み教員養成大学が占めており、兵庫教育大学、愛知教育大学、京都教育大学などは八―九割減です。
井上氏は、日本教育大学協会の鷲山恭彦会長が「(この間の交付金毎年1%削減でも)教育や研究は壊滅的打撃を受け、教育力の高い教師の養成や、教員の研修機能なども低下する」(「読売」五月四日付)と警告していることを紹介。「教育が『最重要課題』といいながら、教員養成系大学をつぶすような方針は支離滅裂だ」と批判しました。
そのうえで、「そもそも教員免許更新講習を行う体制がとれるか疑問だ。免許更新制は教員の身分を不安定にし、現場から切り離した研修を行うことで、子どもと向き合うことをいっそう困難にする」と、教員免許更新制を盛り込んだ教育三法案の廃案を求めました。