2007年6月20日(水)「しんぶん赤旗」

派兵延長・教育3法案 参院委採決

自公が連続強行


 「採決は合意されていないぞ」。自民、公明両党は十九日午後、日本共産党など野党側の抗議を押しきって、自衛隊のイラク派兵を二年間延長するイラク特措法改悪案を参院外交防衛委員会で強行採決、その八分後には参院文教科学委員会で教育に対する国家統制を強化する教育三法案の採決を強行する暴挙に出ました。与党は二十日の参院本会議で両法案を成立させる構えです。

 二十三日の会期末が迫るなか、政府・与党は同日、安倍晋三首相の「指示」で天下り自由化法案(国家公務員法改悪案)の成立を確実にするため、会期を七月五日まで十二日間延長する方針も固めました。延長となれば、参院選投票が予定されていた七月二十二日から二十九日に延びる事態になります。最終盤国会は政府・与党の党利党略、暴走が吹き荒れる異常な状況となっています。

 外交防衛委で日本共産党の緒方靖夫議員は、自衛隊の国民監視問題を追及し、イラク派兵延長に強く反対しました。野党議員の質問が終わると、田浦直委員長(自民)が一方的に質疑終局を宣言。野党議員が委員長席につめよって抗議するなか、与党議員が起立して採決を強行しました。

 一方、文教科学委では安倍首相出席で質疑が行われ、日本共産党の井上さとし議員が教育三法案を「愛国心の強制などが可能になっている。国の管理と統制、強制を持ち込むことで、子どもたちは大変なことになる」と批判。廃案を強く求めましたが、狩野安委員長(自民)が同じく質疑を打ちきり、採決に持ち込みました。

 この日、与党側は参院厚生労働委員会の理事会で、二十一日にも社会保険庁解体・民営化法案と「年金時効特例」法案を採決する日程を提案しました。


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