2007年6月15日(金)「しんぶん赤旗」

年金記録

全員に送付すぐ

小池議員 不安解消は政治責任


写真

(写真)安倍首相に質問する小池晃議員=14日、参院厚生労働委

 日本共産党の小池晃議員は十四日の参院厚生労働委員会で、「消えた年金」問題で相談が殺到し、心配でも相談に行けない人もいることを紹介し、「納付記録はあれこれの作業をしなくてもすぐ出せるはずだ。国民の不安にこたえるために、保険料の納付記録を全加入者と受給者に至急送るべきではないか」と提案しました。

 安倍晋三首相は「小池議員も真剣にお考えの上に発言されていると思う」とのべ、「五千万件の突合を優先的にやりたい。最終的には全員に通知をしたい」と答えました。

 小池氏が「今ある履歴を送って、正しければ安心できるし、違う人は問い合わせに行ける。段階論ではなくて、できることはすべてやることが必要だ。国民の不安にこたえるのが政治の責任ではないのか」と迫ったのに対して安倍首相は、「小池議員と同じように、できることはすべてやれと申し上げている」とのべました。

システム受注企業に1兆4千億円

政財官食い物に

 年金保険料を政官財の食い物にすることは許されない―日本共産党の小池晃議員は十四日の参院厚生労働委員会で、国民の年金保険料が企業と天下り官僚、自民党によって食い物にされているとただしました。

 小池氏は、「消えた年金」にかかわる社会保険庁のオンラインシステムを受注したNTTデータと日立の関連会社に一九八九年度から二〇〇五年度までに、一兆四千億円も支払われていることを明らかにしました。他の委員から「すごい」という声が上がりました。

 小池氏は、巨額のシステム経費の財源は当初国庫負担だったのが、保険料を流用するようになった九八年から急増していることを指摘(グラフ参照)。社保庁解体法案では、この保険料流用を恒久化することをあげて「歯止めがなくなる」と批判しました。

 さらに小池氏は、関連会社も含めて両社には厚労省・社保庁から十五人の官僚が天下っていることを明らかにしました。社保庁は、在籍していたことは認めましたが、天下り先については「把握していない」と答弁。小池氏が「社保庁が解体・民営化されれば、天下りがより自由にできることになる」と指摘すると、柳沢伯夫厚労相は「公務員程度の規制を検討しなければならない」と答えざるをえませんでした。

 小池氏は、両社から自民党への献金は、国民政治協会分だけでも九八年以降で二億二千七百万円にのぼることを示し、「年金利権に企業も官僚も群がり、保険料が政治献金の形で自民党に還流することが許されるのか」とのべました。

 柳沢厚労相は「献金は適正に処理されている」と答弁。小池氏は「国民の怒りが広がるもとで、こういう構造がまかり通ることに怒りを覚える。政党、政治家の責任が問われる」と批判しました。

保険料流用で急増

グラフ


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