2007年6月8日(金)「しんぶん赤旗」

サミット協議始まる

温暖化対策や知的財産権


 【ハイリゲンダム=中村美弥子】ドイツ北東部のハイリゲンダムで開かれている主要八カ国首脳会議(G8サミット)は七日、実質的な協議をスタートさせました。各国首脳は午前中の協議で、知的財産権の保護や地球温暖化対策などについて意見交換しました。

 議長国ドイツのメルケル首相は、イノベーション(技術革新)と知的財産権保護などについて、G8と中国、インド、ブラジルなどの新興国と対話を強化する次官級協議(ハイリゲンダム・プロセス)の創設を提案し、了承されました。焦点の地球温暖化対策では、各国首脳から温室効果ガス削減で数値目標設定の是非と、その前提となる議論について発言がありました。

 ドイツは「成長と責任」をテーマとする今回のサミットで、十二月にインドネシア・バリ島で開かれる気候変動枠組み条約締約国会議に向けて共通の立場を確立することを目指しています。世界最大の温室効果ガス排出国でありながら、具体的な目標設定に背を向けている米国に対しても足並みをそろえるよう迫る構えです。

 サミット開幕に先立ち、メルケル首相はブッシュ米大統領と会談しました。ブッシュ大統領はメルケル首相に対し、「『ポスト京都』の合意のために、あなたと協力したいという強い希望を持って来た」と表明。しかし、メルケル首相が、温室効果ガス排出量の削減に向け具体的な数値目標設定の必要性を説明したのに対し、大統領はこれを受け入れませんでした。

 温暖化対策は、七日の協議を経て、新興経済国である中国、インド、ブラジル、メキシコ、南アフリカ共和国を加えた八日の拡大会合でも論議されます。



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