2007年5月23日(水)「しんぶん赤旗」

社会保険庁分割・民営化

世界の流れに反する

衆院委 参考人から批判相次ぐ


 社会保険庁の分割・民営化法案などの参考人質疑が二十二日の衆院厚生労働委員会で開かれ、安定運用を危うくし、世界の流れにも反しているとの指摘が相次ぎました。

 年金実務センター代表の公文昭夫氏は、推計で年間一千万人にのぼる未納者やワーキングプアの増大など「空洞化に歯止めをかけることが緊急課題。全額国庫負担とする最低保障年金の確立が必要だ」とのべました。

 分割・民営化は「憲法二五条の生存権を保障する国の責任と義務を投げ捨てるものだ」と指摘。制度の安定継続性は保たれなくなり、個人情報保護の漏えいなど問題を引き起こすとのべました。

 立正大学の渡部記安教授は、政府案と民主党案に共通している管理運営の細分化・民間委託について「世界の潮流に反する非効率的な政策であり導入すべきでない」と強調。社会保障全体の運営管理を国が包括的一元的に行うのが世界の流れだとのべました。

 社会保険労務士の井戸美枝氏は「徴収とサービス提供の一体的運営は不可欠。分離することは総合的なサービス提供につながらない」とのべました。

 日本共産党の高橋千鶴子議員は、空洞化防止のため雇用対策が重要だと指摘するとともに、事務費への保険料流用について政府が「極めて妥当」と正当化していることへの意見を求めました。

 保険料流用について渡部氏は「事務費に流用している国は世界にない。日本の常識は世界の非常識。世界の恥だ」と批判。公文氏は「安定した雇用とまともに生活できる賃金が確立されないといけない」とのべました。



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