2007年5月4日(金)「しんぶん赤旗」
憲法施行60年 集会・行動
「9条守れ」 全国で
東京 銀座7000人パレード
任期中の改憲を公言する安倍首相のもと、今国会で改憲手続き法案を強行しようとする自民、公明の与党の暴走は許さないと憲法施行六十周年の三日、全国で「憲法九条を守れ」「改憲手続き法案は廃案に」と集会やパレードがくり広げられました。
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東京では午前、全労連などでつくる憲法改悪反対共同センターが街頭宣伝。午後は日比谷公会堂で「5・3憲法集会」(憲法会議、許すな!憲法改悪・市民連絡会など八団体で構成する実行委員会主催)が開かれました。六千人がつめかけ、会場からあふれた参加者が場外に設置された大型スクリーンの前に鈴なりになって訴えに聞き入りました。集会後の銀座パレードには、待ち構えていたように隊列に加わる人もあり、七千人に膨れあがりました。「9」の文字の黄色のうちわや色とりどりの風船、傘、楽器を手にアピールしました。
開会三時間前に会場に来た東京都練馬区の男性(72)は「いま地元でも九条の会がパレードをしています。安倍内閣にやられてたまるか」。生命保険会社の労働者でつくる「生保九条の会」ののぼりを持った女性(58)は「改憲の動きが強まるなか、今年はみんなで参加しようと声をかけました。世論をつくるのは私たち」。「安倍政権のやりたい放題にはもうがまんができない」というのは神奈川県の「えびな九条の会」の女性(60)。「憲法九条は世界の宝」の傘を手にパレードしました。
集会では、キリスト者平和ネットの鈴木伶子さんが「さまざまな立場を超え、生かそう憲法、守ろう九条、改憲手続き法はいらないと訴える仲間を増やそう」と主催者あいさつ。日本共産党の志位和夫委員長ら四氏が発言しました。
植野妙実子・中央大学教授は「安倍首相は『美しい国』というが、正社員になれない若者など希望の持てない国にしたのは誰だ」と告発し、「希望の持てる国づくりをしよう。その柱は憲法九条」と語りました。
浅井基文・広島平和研究所所長は、集団的自衛権の行使のために改憲が必要という宣伝に対し、米国などの国際軍事行動に協調しようというものと批判。個人を国家の上に置いた国家観の必要性を強調しました。
社民党の福島瑞穂党首は、厚生労働大臣の「女性は産む機械」発言など国民を人間扱いしない政治を変えようと強調。「生存権と平和的生存権が脅かされようとするいま、死にものぐるいで頑張ろう」と訴えました。
志位委員長が発言
志位委員長は発言で、安倍内閣になって、憲法問題をめぐる新しい矛盾が広がり、同時に憲法改悪反対のたたかいを前進させる新しい条件が広がっているとして、三つの注目点を解き明かしました。
志位氏が指摘したのは、(1)なぜいま改憲なのか、だれのための改憲なのか、安倍晋三首相自身の言動ではっきりみえてきたこと(2)安倍内閣の新しい特徴として、改憲推進勢力の中心に、過去の侵略戦争を正当化する「靖国」派が公然とすわったこと(3)「海外で戦争をする国」づくりのために、国民の心まで支配しようとする動きがはっきり具体化してきたこと―です。
志位氏の発言に、参加者は熱心に聞き入り、随所で「そうだ」の声援や拍手がおこりました。
志位氏は最後に、安倍内閣が憲法改悪への暴走を始めた危険は軽視できないが、同時にこの暴走は、国民との矛盾、世界との矛盾を劇的に広げつつあるとして、「その危険な正体を広く国民に明らかにするならば、国民の圧倒的多数は、憲法改悪に反対の声を上げると私は確信するものです」と強調。「憲法改悪反対のゆるぎない国民的多数派づくりに力を合わせよう」と呼びかけ、大きな拍手につつまれました。
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