2007年4月27日(金)「しんぶん赤旗」
教師の心の余裕奪う
免許更新制 参考人が批判
石井議員質問
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衆院教育再生特別委員会は二十六日、教育三法案に関する参考人質疑を行いました。四人の参考人がおもに教員免許更新制について意見を述べました。
嶺井正也・専修大学教授(野党推薦)は、三月の中央教育審議会答申に教員の養成制度や職場環境の改善が大事であると書かれているが、「そういうものが考慮されずに免許更新制度が導入されようとしている」と指摘し、「学生が教職に魅力を感じなくなる制度だ」と教員免許法改定案に反対しました。
勝野正章・東京大学准教授(同)は「免許が更新されたからといって教師が尊敬と信頼を得られるものではない。更新制は教師から子どもたちとの交流の時間や心の余裕を奪っていく」と批判しました。
日本共産党の石井郁子議員は「国主導で免許更新講習や研修が行われると、教員に必要な資質・能力が画一的な方向になる懸念があるがどうか」と質問。高倉翔・明海大学長(与党推薦)は「講習が国主導で画一的ということになると、自主性・自律性がおかしくなる」と答えました。
また石井氏は、学校での成果主義や評価がどのように教員の仕事の性質を変えているのか尋ねました。勝野氏は「成果主義の中で、数値目標を立てると、単純に学力の点数や不登校の生徒を減らすことが目的となってくる。教育活動が本末転倒になる」と述べました。
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