2007年4月24日(火)「しんぶん赤旗」
生活保護割合を調査
一斉学力テスト 校長にも質問
文部科学省が二十四日に実施する全国一斉学力テスト(学力・学習状況調査)では、国語と算数・数学のテスト、児童・生徒への質問紙調査のほかに、各学校の校長に回答を求める「学校質問紙」調査があります。教育内容にかかわる項目や生活保護や就学援助の受給世帯の割合などを尋ねる項目もあり、現場の校長からも「なぜこのようなことまで調べるのか」との声が出ています。
昨年実施された予備調査によると学校質問紙の設問は百項目を超えています。それによると児童生徒数や教職員の年齢別構成、コンピューター一台あたりの児童生徒数などのほか、生活保護世帯の割合や就学援助を受けている児童生徒の割合まで尋ねています。
また、放課後や土曜日、夏休みなど長期休業中の補習の実施状況、習熟度別授業や「朝の読書」など学校の教育内容にかかわる項目もあります。これらはいずれも文科省が「学力向上対策」として推進してきたものです。
また、家庭訪問や授業参観日の回数、学級だよりや学校だよりの発行状況、ホームページを開設しているかどうかまでこと細かく調査。「授業研究をともなう校内研修を何回実施したか」「校長のリーダーシップが発揮できているか」など学校運営にかかわる設問もあります。
都内のある小学校長は「質問紙には学校名と校長名を明記することになっている。『学力』について調査するのになぜ生活保護や就学援助を受けている人数、校長の学校運営にかかわることまで調べる必要があるのか」と話しています。