2007年3月31日(土)「しんぶん赤旗」

「シベリア抑留者は捕虜」

参院委 吉川議員に外務省認める


 第二次世界大戦後、旧ソ連軍によって強制労働に従事させられたシベリア抑留者の補償問題に関し、外務省欧州局の本田悦朗審議官は二十九日の参院総務委員会で、「(軍人・軍属であるシベリア抑留者は)捕虜としての正当な人道上の待遇を受ける権利を、旧ソ連邦の権力下にある間有していた」と答え、従来の見解を転換しました。これまで政府はシベリア抑留者を、補償の対象となる捕虜として認めていませんでした。日本共産党の吉川春子議員に対する答弁です。

 厚労省は、旧ソ連地域への抑留者が約五十六万一千人にのぼり、そのうち軍人・軍属は約四十五万三千人と推計されることを明らかにしました。

 外務省が抑留者を捕虜として認めたため、吉川氏は、捕虜に対する労働賃金などの支払いを定めたジュネーブ条約が、国際慣習法として抑留者にも適用されるか追及しました。本田審議官は、「国際慣習法上、労働賃金を支払う義務が存在した」と認めましたが、日ソ共同宣言で、両国が戦争被害による請求権を放棄していることを引き合いに出し、「シベリア抑留者に関する請求権も、すでに解決済みだ。日本が労働賃金などの支払いをおこなう法的義務はない」と居直りました。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp