2007年3月26日(月)「しんぶん赤旗」

能登で震度6強

1人死亡 けが170人

全半壊144件 2000人以上が避難


 二十五日午前九時四十二分ごろ、能登半島を中心に強い地震があり、石川県輪島、七尾両市と穴水町で震度6強の揺れを記録しました。県警などによると、輪島市鳳至町の主婦(52)が自宅で石灯籠(どうろう)の下敷きになって死亡したほか、ブロック塀が倒れるなどして石川県内で十七人が重傷、百三十七人が軽傷を負い、富山、新潟両県でも計十六人が重軽傷を負いました。また石川県では住宅五十二棟が全壊、九十二棟が半壊しました。気象庁は一時津波注意報を出しました。


写真

(写真)地震で倒壊した家屋=25日午前、石川県輪島市、日本共産党の鐙(あぶみ)邦夫市議撮影

 気象庁によると、震源地は輪島市の南西約三○キロの能登半島沖で、震源の深さは約一一キロ、地震の規模(マグニチュード)は6・9と推定される。このほか震度6弱が同県志賀町、中能登町、能登町で、珠洲市では震度5強が観測されました。石川県内では、公民館など三十四カ所に計二千二百二十八人が避難しています。

 輪島市では同日午後六時十一分に震度5弱の余震があったほか、同九時までに震度4を二回、震度3を十四回観測。同庁は、今後一週間ほどの間に最大で震度5―6程度の余震が起きる可能性があるとして注意を呼び掛けました。また、地盤が緩み土砂災害の可能性が高まっているとして、石川県の大雨警報・注意報の雨量基準を、暫定的に従来の約五割に引き下げました。

 北陸電力によると、志賀町の志賀原発1、2号機は検査などのため停止中で影響はありませんでした。

 国土交通省によると、能登空港(輪島市)は、滑走路に亀裂などが生じて閉鎖。JR東日本は、越後湯沢―新潟間で上越新幹線の運転を一時見合わせ、JR西も北陸本線の一部が運休、石川、富山県内の在来線全線が運転を見合わせました。石川県内では、がけ崩れや陥没のため、能登有料道路の一部区間などが通行止めとなったほか、輪島市門前町の二集落で計百三人が一時孤立、船などで救出されました。


命助かったが…

避難所で輪島市民

 「地震大丈夫ですか?」。富山市内にいた記者が地震発生を知ったのは神奈川県内の知人からの携帯メールでした。午前十時、編集局からの電話が入り、石川県に向かうことに。大きな被害が出た輪島市の市役所に到着したのは、午後四時五十分すぎでした。対策本部で状況をつかみ、被害状況を取材しました。

 市役所にほど近い、市ふれあい健康センターには、高齢者を中心に七十二人の被災者が避難しました。

 センターから約八キロの山間部に入った同市打越町の主婦(70)は「前に震度4は体験したが、今度みたいな大地震は初めて。バスが不通になり家に帰れません。迎えにくる人も送ってくれる人もいない。家もどうなっていることか」と語りました。

 市役所そばで酒屋を営む女性(70)は「商品は全部落下してしまいました。新潟から届いたばかりのお酒も台無しです。余震が続くし、片付ける気持ちも起きないので避難してきました」と話します。

 「家も命も助かったけど、家の中は住める状態ではありません」と話すのは、同市中央通りの一人暮らしの女性(74)。家の倒壊は免れたものの家具が倒れたり物が散乱しています。しかし、片付けを手伝う家族もいません。「一人でボチボチやっていくしかありません」と話し、毛布にくるまりました。

 (栗田敏夫社会部長)


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