2007年3月21日(水)「しんぶん赤旗」

特許庁“保険料逃れ”

吉川議員追及 非常勤の勤務変更強要


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(写真)質問する吉川春子議員=20日、参院総務委

 特許庁が非常勤職員を健康保険や厚生年金に加入させていなかった問題で、過去二年間の保険料未納分を非常勤職員に押し付けたうえ、今後は保険に加入させなくてすむように勤務時間を一方的にカットしようとしていることが分かりました。二十日の参院総務委員会で日本共産党の吉川春子議員が取り上げたもの。

 事業主は、短時間労働者の労働時間が正社員の「四分の三以上」あれば社会保険に加入させなければなりません(保険料は労使折半で負担)。

 特許庁には、週四日・一日七・二五時間と、週四日・一日六時間の勤務の非常勤職員が約百人おり、これが加入要件に該当すると社会保険庁から指摘されました。

 吉川氏は、特許庁の文書で、非常勤職員に未納分の支払いを求めるとともに、「今後は選ぶことはできません」といって“保険料逃れ”のため、週三日など短い勤務形態に変更するよう強要していることを明らかにしました。支払いを求められる保険料は多い人で三十五万円。勤務形態が変われば月三万円もの減収になる人もいます。

 吉川氏の質問に、特許庁側は、加入漏れの責任が特許庁にあることを認めましたが、保険料負担について菅義偉総務相は「法律では半額負担することになっている」と答えるにとどまりました。

 吉川氏は、千六百人の加入漏れがあった東京ディズニーランドでは労働者負担分を会社が肩代わりしたことをあげて「自分たちに落ち度があるのに身勝手だ。国ならミスを許されるのか」と批判。「公務の三分の一は非常勤職員が支えているのに月十万円程度の収入で社会保険も有給休暇もない。国がワーキングプアをつくりだしてはいけない。待遇を改善すべきだ」と強調しました。

 谷公士人事院総裁は「問題意識は持っている」とのべ、処遇改善について「検討していきたい」と答えました。


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