2007年3月21日(水)「しんぶん赤旗」
夕張市への融資
不良債権処理に利用
大門議員 みずほ銀の手口追及
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日本共産党の大門実紀史議員は二十日、参院財政金融委員会で、北海道夕張市の財政破たんをめぐる大銀行の責任について、政府にただしました。紙智子議員が夕張問題で、みずほ銀行と三菱UFJ信託銀行の「過剰融資」の実態と、貸し手責任を追及したのにつづくものです。
大門氏は、夕張市が三百五十三億円もの赤字をつくり、道や国に支援要請しているにもかかわらず、赤字の原因の詳細や銀行との関係を明らかにせず、党の独自調査の妨害さえしたことを厳しく批判しました。
そのうえで、夕張市が二〇〇二年、当時、松下グループだった松下興産から二十六億円で買い上げたマウントレースイ・スキー場の問題を取り上げました。市は購入のため地方債発行を試みましたが、「採算が取れる事業ではない」と道も政府も拒否し、地元金融機関は貸し出しに応じませんでした。
そこで登場したのがみずほ銀行で、市に二十億円を融資しました。その理由について大門氏は、「自治体への融資はリスクゼロというだけではない、独自の動機があった」とし、当時、松下興産が四千億円もの負債を抱え、みずほが巨額融資をしていた事実を指摘。夕張市への融資でみずほは不良債権の負担が軽くなると同時に、利息ももうかるという「一石二鳥」の仕組みを暴露し、「まさにみずほの自作自演であり、市も承知していたはず。だからこそ市は資料を出さないのではないか」と政府を追及しました。山本有二金融担当相は「一般的には何か問題点があれば厳正に対処するしかない」と答弁しました。
大門氏は、「三百五十三億円の謎が一つも解明されないまま、市民に大変な負担がおしつけられようとしている」とのべ、真相の解明を強く要求するとともに、これは他の自治体でも起こり得る問題だと強調しました。
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