2007年3月20日(火)「しんぶん赤旗」
環境悪化有明海を視察
共産党国会調査団 漁業者らと懇談
赤潮の多発など深刻な漁業被害が発生している有明海問題で、日本共産党の国会調査団(団長、赤嶺政賢衆院議員)は十八、十九の両日、現地調査し、漁業者らと懇談、実情を聞きました。
諫早湾の対岸に位置する福岡県の漁民らからは、「有明海の水質の変化はこれまであったが、諫早湾を閉め切った干拓事業が有明海にとどめをさした」と切実な訴えがつづきました。
福岡県柳川市の浜武漁協の荒巻弘吉理事は、有明海の環境悪化が続いているとしたうえで、「深刻なのは潜水漁業だ。海底環境悪化で、アサリなどの貝をはじめ、魚の漁獲高も減っている」と訴えました。
国は有明海の環境改善を目的に特別措置法を制定し、底質改善のために砂を巻く覆砂事業などを行っています。しかし、漁民からは「たとえ覆砂をしても五年もすれば、汚泥がたまってしまう」との指摘もあります。
福岡県大牟田市の早米浦漁協の森永栄三組合長は、「『有明海異変』の最大の原因である諫早湾の閉め切りを見直さない限り、漁業環境は変わらない」と訴えました。
赤嶺議員らは、「特措法の見直しを含め、有明海再生のための取り組みに現場の実情を反映させたい」とこたえました。
また調査団は、「よみがえれ!有明訴訟」弁護団と懇談。長崎県の諫早干拓事業地を訪れ、九州農政局の担当者からの説明を受けました。
同調査団には、赤嶺議員のほか、田村貴昭衆院比例予定候補と参院選選挙区予定候補の、ふちせ栄子(長崎)、中尾純子(佐賀)、田中みゆき(福岡)の各氏らが参加しました。