2007年3月17日(土)「しんぶん赤旗」
05年度
米軍事件・事故1755件
笠井氏 安保優先の政府批判
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日本共産党の笠井亮議員は十六日の衆院外務委員会で、多発し続ける米軍による事件・事故の実態を告発し、その根底にある米軍の運用を最優先にする政府の姿勢をただしました。
笠井氏の追及に対し、北原巌男防衛施設庁長官は、米軍による事件・事故の件数が〇三年度に二千七十九件に達し、〇五年度で千七百五十五件、〇六年度も一月末までだけで千二百七十件に及んでいることを明らかにしました。
笠井氏は「毎年高い水準が続いている」と指摘し、このなかには神奈川県横須賀市での殺人事件、米軍機の照明弾発射や模擬弾落下など、住民の安全にかかわる重大事件が数多く含まれていると告発しました。(表)
政府は、事件・事故は「遺憾だ」としつつも、米軍ヘリがつり下げ輸送中の車両が落下した事故では「日米安保条約の達成のために必要な訓練」(地引良幸防衛施設庁次長)と当時述べるなど、米軍の運用については当然視し続けています。
笠井氏は、米軍嘉手納基地などの米軍機の訓練を本土の自衛隊基地(六カ所)に移転させる計画も挙げ、「米軍再編によって全国各地に事件・事故の被害が広がることになる」と指摘。「政府は、米側に抜本的な対策を求めたことがあるのか」とただしました。
外務省の岩屋毅副大臣は「事件・事故が多発していることは遺憾だ」と表明。麻生太郎外相は、「住民の気分、気持ちは当然。米軍とさらに詰めていく」と述べました。
■米軍による最近の主な事件・事故
【航空機事故】
06年3月30日 沖縄県の嘉手納基地上空でF15戦闘機が照明弾発射
5月22日 神奈川県でC2輸送機が緊急脱出用扉を落下
8月25日 沖縄県でF15戦闘機が照明弾を発射
11月15日 青森県三沢市沖合でF16戦闘機が模擬弾を落下
12月6日 青森県の三沢基地でF16戦闘機が模擬弾を落下
12月13日 沖縄本島沖で米軍ヘリがつり下げ輸送中の車両を落下
【刑事事件】
06年1月3日 神奈川県横須賀市で被害者を殺害
1月7日 沖縄県のキャンプ瑞慶覧で米兵が現金強盗
1月29日 神奈川県横須賀市で被害者を暴行未遂
10月14日 長崎県佐世保市で米兵が殺人未遂
11月2日 神奈川県横須賀市で米軍属が被害者を傷害致死
07年1月15日 沖縄県沖縄市で米兵が被害者を強盗致傷
(注)防衛施設庁が日本共産党の笠井亮衆院議員に提出した資料をもとに作成。
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