2007年3月14日(水)「しんぶん赤旗」

日本農業に大打撃

日豪EPA(経済連携協定)

交渉の中止求める

紙議員が指摘


 日本共産党の紙智子議員は十三日、参院予算委員会で日豪EPA(経済連携協定)の日本農業への影響について安倍晋三首相にただしました。


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(写真)質問する紙智子議員=13日、参院予算委

 日本は、食料の六割(カロリーベース)を米国など海外に依存しています。紙氏は、気温が〇・五度上がると、米国のコーリャンなど粗粒穀物や飼料用トウモロコシの生産が大きく減少するとした農水省関係研究機関の報告を紹介。小麦生産が大きく減少するとした環境省の報告も挙げ、「異常気象などを含めれば、深刻な事態になりかねない。輸入依存の日本は直撃をうける」と指摘しました。

 安倍首相は「世界の食料自給は、中長期的に逼迫(ひっぱく)する可能性がある」とのべました。

 紙氏は「そういうときに、食料自給率を引き下げ、北海道をはじめ日本農業に大打撃を与えるのが、交渉入りする日本・オーストラリア経済連携協定(日豪EPA)だ」と批判。重要品目の関税が撤廃されれば、農水省の試算でも小麦、砂糖、乳製品、牛肉の合計で七千九百億円の悪影響を被るとのべました。また、北海道経済への影響は、道庁の試算で関連産業含め一兆三千七百十六億円にのぼり、「壊滅的な打撃を受けざるをえない」とのべ、日豪EPA交渉の中止を求めました。

 安倍首相は「豪州と関係を深め連携を強化することは、国益にとって重要だ」と拒否。一方で「北海道農業に与える影響を含め、検討していかなければならない」とのべました。

 紙氏は、御手洗冨士夫日本経団連会長らが経済財政諮問会議で、EPA交渉の加速を主張していることを批判。「日本農業と日本国民の食料の安全を危険にさらすような日豪EPA交渉はただちに中止すべきだ」と重ねて求めました。


 日豪EPA 経済連携協定(EPA)は農産物、鉱工業製品などモノの関税の原則撤廃だけでなく、サービスや金融、人の移動など幅広い自由化をめざすもの。オーストラリア(豪州)から輸入する鉱工業製品はほぼ関税ゼロのため、日豪EPA交渉は、日本政府が農産物の関税撤廃を受け入れる場になると、不安・批判が高まっています。

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