2007年3月9日(金)「しんぶん赤旗」
乳価引き上げ要求
紙議員 飼料米の本格導入提案
紙智子参院議員は八日、参院農林水産委員会の経営難に直面する畜産・酪農問題の集中審議で質問にたち、加工用原料乳の政府補給金の引き上げとともに飼料米の本格的導入を提案しました。
酪農家は規模拡大で経営を維持してきましたが、乳価引き下げと減産によって二〇〇六年の家族労働報酬は前年より10%も下落し、過去十四年間で最低になっています。紙氏は、「働いても働いても収入が減るという酪農版ワーキングプア状況だ。加工原料乳補給金の単価を引き上げるべきだ」と主張しました。
紙氏は、酪農・畜産農家に不安が広がっている飼料価格高騰について、オーストラリアの大干ばつに加え、アメリカがトウモロコシをエタノール原料用に回すなどしているため、配合飼料値上がりが構造的になっていると指摘。国内自給飼料作物の面積をみると、一九九九年から八年連続で約七万ヘクタールも減り、農水省の基本計画にある二〇〇三年作付け面積目標からすでに三万ヘクタールも下回っていると批判しました。
紙氏は「財政負担を前提にした抜本的取り組みをしないと飼料自給率は上がらない」と主張。対策として、作付けしていない水田や耕作放棄地に飼料米を植えれば飼料自給率が10%引き上がるとの農水省の試算をもとに飼料用稲の普及を提起しました。
国井正幸副大臣は「自給率向上に有効な施策でありすすめたい。多収穫品種、バイオ技術も駆使して重要施策として検討させてもらいたい」と紙氏提案に積極的な答弁をしました。従来、自給率向上施策として対象となっていなかった飼料米もすすめると答えました。