2007年3月2日(金)「しんぶん赤旗」
「能オペラ」中止4000万円
大山都議 「税金むだ遣い」と批判
東京都の石原慎太郎知事がトップダウンで始め、都政の私物化と批判されている、都の若手芸術家育成事業・トーキョーワンダーサイト(TWS)の一環で計画されたイベント「能オペラ」の中止に関連した費用が、総額で約四千万円におよぶことが一日、明らかになりました。日本共産党の大山とも子都議が都議会文教委員会で指摘しました。
「能オペラ」は、石原知事の四男、延啓(のぶひろ)氏が企画段階から深くかかわり、石原知事も脚本を書きましたが、著作権のトラブルで中止。都は、その補償がらみのコンサート「伝統と未来」を二〇〇四年二月十三日、開きました。
石原知事がスイス・ダボス出張の際に開いた、知事主催のレセプション「東京ナイト」(同年一月)でも、「能オペラ」に出演予定だった大鼓奏者の出番をつくり、その舞台装置として、延啓氏制作の「鏡板」を披露しています。
大山氏は、延啓氏と今村有策TWS館長夫妻が「能オペラ」の作曲家と懇談するためのパリ・ベルリンへの出張費や、「伝統と未来」開催費用、「東京ナイト」の準備・開催費、延啓氏への鏡板制作費・旅費などで合計三千九百八十九万円になると指摘(別表)。「石原知事、四男、今村氏などが都民の税金のむだ遣いをしたということだ。責任は免れない」と批判しました。
「能オペラ」中止に関連した費用
「能オペラ」の準備・中止費用 593万円
「伝統と未来」開催費とチケット収入の差額 1648万円
「東京ナイト」開催経費 1748万円
合計3989万円