2007年2月9日(金)「しんぶん赤旗」
「産む機械」発言 厚労相の罷免拒否
「反省」言うが中身なし
責任ある少子化対策示せ
衆院予算委 安倍内閣の姿勢を批判
佐々木議員が追及
「柳沢伯夫厚生労働相の発言のどこが『不適切』で、悪かったと考えているのか」。日本共産党の佐々木憲昭議員は八日の衆院予算委員会で、女性は「産む機械」などとした柳沢厚労相発言に対する安倍内閣の姿勢をただしました。また、「弱い者に冷たい」象徴として、「逆立ち」税制の問題をとりあげました。
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厚労相発言について安倍晋三首相は「不適切な発言だった」と繰り返しています。
佐々木氏は「人間としての尊厳、女性の人権、これを尊重する姿勢がまったく見えない。表現が悪かったとか、うわべだけ悪かったといっても反省とはいえない」と指摘。発言の根本にあるのは、「国のために『産めよ増やせよ』という発想だ」と述べ、安倍首相はじめ閣僚の認識をただしました。
安倍首相は「女性の尊厳を傷つけるものであり、そのような表現をすること自体がまったく不適切だ」と繰り返し、柳沢厚労相は「申し訳ない。反省している」などと答弁。他の閣僚も「発言は全体として不適切。内閣の一員としておわびしたい」(尾身幸次財務相)、「内容が適切さを欠いていた」(麻生太郎外相)というだけで、中身にはふれませんでした。
佐々木氏は「柳沢氏に国民の福祉、健康、労働の分野で人権を守ることを職責とする厚労相の資格はない」と罷免を求めましたが、安倍首相は「常に国民の立場に立って職責を果たしてほしい」と厚労相をかばいました。
佐々木氏は「職責を果たすというなら、いま問われているのは、安心して結婚し、子どもを産み育てられる環境づくりだ」と指摘。政府の「少子化社会白書」でも、そのための環境の困難さがこもごも書かれていることを紹介しました。
佐々木氏は、とくに深刻な例として、母子家庭の母親の声を紹介しながら、二〇〇二年に強行した児童扶養手当の削減を見直す気がないかどうかただしました。
安倍首相や柳沢厚労相は、佐々木氏が再三求めたにもかかわらず、これを拒否。
佐々木氏は「反省をいっても言葉だけで中身がない証拠だ。首相をはじめとして、厚労相をかばう。(子育てを困難にしておきながら)まともな対応もでてこない。これは、この内閣自身に根本的問題があるといわざるをえない」と追及すると、他党議員からも「そうだ」の声があがりました。