2007年2月8日(木)「しんぶん赤旗」
医師不足打開・地域医療守れ
「命の平等」共同訴え 共産党が提案
小池氏が会見
深刻な社会問題になっている医師不足を解決するために、日本共産党は七日、「深刻な医師不足を打開し、『医療崩壊』から地域をまもる提案」を発表しました。小池晃政策委員長が国会内で記者会見しました。会見には、寺沢亜志也・党社会保障対策委員会責任者が同席しました。
記者会見で小池氏は、産科医のいない地域が全国で急増するなど緊急対策が求められる産科や小児科について、国立病院の産婦人科が一九九六年から十年間で35%減少し、病院全体の減少率を大きく上回っていることを指摘。「国が率先して産科をつぶしている実態がある。公的病院の産科・小児科切り捨てはやめるべきだ」と強調しました。
また、「医学部定員の削減」を閣議決定までして医師の養成を抑制してきた結果、日本の医師数は人口比で、OECD(経済協力開発機構)加盟国三十カ国中二十七位と大きく立ち遅れていることを示し、「医師数抑制」路線を改めて医師を抜本的に増員する必要があると主張しました。
小池氏は、「医師不足問題は、小泉・安倍内閣の『構造改革』の被害が一番切実・深刻なかたちで住民のくらしに表れている分野だ。『小さな政府』の名で命や健康を切り捨て、公の責任を放棄することはきっぱりやめ、命の平等を保障するべきだ」と述べました。
小池氏はまた、この提案を国会論戦や地方選・参院選でも大いに訴えていくと表明。全国約九千カ所の病院すべてに提案を届けるなど、幅広い医療関係者や病院を守る運動に取り組む住民と意見交換していきたいと述べました。
■日本共産党の提案のポイント■
1、妊産婦・乳幼児の命と健康をまもるために――産科・小児科確保の緊急対策を
○公的病院の産科・小児科切り捨てをやめる
○診療報酬引き上げ、出産一時金の大幅増額
○国の責任で周産期医療の拠点を整備、医師と助産師の連携支援
2、医師数抑制路線をあらため、医師を抜本的に増員する
○医師の計画的増員
○医学部定員の抜本増、地域医療のにない手養成
3、勤務医が安心して働ける環境を整備し、医療の安全・安心を高める施策を
○看護師・スタッフの増員による勤務医の負担軽減
○女性医師の働く環境の整備、家庭生活との両立支援
○医療事故に対応する第三者機関・無過失補償制度の創設
4、構造改革の名で医療を受ける権利を奪う政策を転換し、公的保険・公的医療の拡充で地域医療を立てなおす
5、不足地域・診療科への医師の派遣と確保――国が責任を果たし、都道府県の取り組みを抜本的に支援する
○全国的な医師派遣システムの確立
○都道府県の医師確保の取り組みにたいする国の財政支援