2007年2月3日(土)「しんぶん赤旗」

今世紀末の気温 最悪6.4度上昇

国連が温暖化報告


 【パリ=浅田信幸】国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)の第一作業部会は二日、パリで、地球温暖化に関する最新の科学的知見を集約した第四次報告を正式発表しました。最悪の場合、今世紀末の平均気温が二十世紀末に比べて最大で六・四度、海面は最大五十九センチ上昇すると予測。IPCC報告として、これまでで最も厳しい予測を示しています。


 報告は、一九〇六―二〇〇五年の世界の平均気温が〇・七四度上昇したと指摘。一九〇一―二〇〇〇年に〇・六四度上昇したとする〇一年の前回報告より高くなりました。

 大気や海洋の温度上昇、氷雪の融解などから、温暖化は「明らかだ」と指摘。特に温暖化の影響を受けやすい北極では、今世紀後半までに、夏の終わりに海氷がほぼ消滅する状態になると予測しました。大気中の二酸化炭素(CO2)濃度が上昇することで、海洋の酸性化が進むとも予想。台風やハリケーンは、発生数は減るものの、より強力になると述べています。

 温暖化の進行が最も少ない場合、今世紀末の平均気温は一・一度、海面上昇は十八センチの上昇にとどまるとしています。

 IPCCは、地球温暖化についての科学的な研究の収集、整理のため、国連環境計画(UNEP)と世界気象機関(WMO)が一九六八年に共同で設立。これまで九○年、九五年、二○○一年の計三回、報告書を発表しています。


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