日本共産党

2003年1月16日(木)「しんぶん赤旗」

米大統領が「新提案」を検討

核放棄すれば北朝鮮援助

国務長官 「枠組み合意」に代わる協定模索


 【ワシントン14日遠藤誠二】北朝鮮の核兵器開発をめぐり、ブッシュ米政権は、核開発の廃棄を前提にした北朝鮮への新たな提案を検討しています。ブッシュ大統領が十四日、明らかにしました。またパウエル国務長官は、北朝鮮が核開発を進めないような「新たな取り決め」が必要とし、同国との間で米朝枠組み合意にかわる新協定を模索していることを表明しました。


 ブッシュ大統領は十四日、「北朝鮮に関連してわが国には大きな懸念がある」と述べながらも、問題の「平和的な解決」を追求すると強調、「エネルギーと食糧に関して、大胆な提案を進めるようパウエル長官に指示した」と、北朝鮮が核兵器開発をやめるのなら、新たな形で同国へ援助をおこなう意思があることを表明しました。

 パウエル国務長官は、十四日付のウォール・ストリート・ジャーナル紙とのインタビューで、一九九四年の米朝枠組み合意は「核分裂性物質の製造能力の問題には手付かずだった」として、同合意にかわる取り決めが必要だとの認識を示しました。また枠組み合意が決めた軽水炉建設の支援では「なにか他のエネルギー(供給)の形態があるかもしれない」と述べました。フライシャー大統領報道官も十四日、枠組み合意に置きかえる「新しい取り決め」が問題になっていると発言しています。

 枠組み合意をめぐっては、北朝鮮が核開発の再開を宣言したことで、合意の意義がなくなったとの声があがっていましたが、米政府はこれまで軽水炉支援を含めた合意のあり方については判断を保留してきました。破棄が現実のものとなれば、核開発凍結のかわりとして米国はじめ関係諸国が軽水炉への転換を支援するために行ってきたKEDO(朝鮮半島エネルギー開発機構)事業の存続が危うくなります。

 パウエル国務長官は、北朝鮮が主張する米国との相互不可侵条約について、「文書によらない別の方法がある」と発言、公式の合意でないものの何らかの方法を追求する考えを明らかにしました。


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