日本共産党

2003年1月12日(日)「しんぶん赤旗」

強まる「国際合意に復帰を」の声

北朝鮮のNPT(核不拡散条約)脱退宣言


 核不拡散条約(NPT)からの脱退を宣言した北朝鮮を非難し、核関連施設の再凍結と国際合意への復帰を求める国際的な声が強まっています。「いったんこの条約に加盟して、核兵器を保有しない意思を表明した国が、この条約から脱退して核兵器保有への道をめざすことは、世界平和を脅かす行為であって、いかなる理由によっても正当化されえないもの」(十日、市田日本共産党書記局長談話)です。

◇   ◆

 関係各国や国際原子力機関(IAEA)などは、脱退声明の撤回と対話による平和的な解決を求めています。

 北朝鮮の韓成烈・国連次席大使は、米ニューメキシコ州のリチャードソン知事(民主党)と九日から三日連続で核問題にかんする意見を交換しています。

 他方、北朝鮮の朴吉淵・国連大使は十日、「朝鮮半島の核問題の直接の当事者は(北)朝鮮と米国」だとして、「朝鮮が核兵器をつくらないことを、両国間の検証手続きを通じて立証できる」と主張、あくまで米国だけを相手にする姿勢を強調しました。

 しかし、周辺国である日韓中ロを含め国際社会の声は、朝鮮半島の非核化という地域の平和を実現するために、北朝鮮が核開発を放棄し国際合意に復帰すべきだということです。米朝間だけの問題ではありません。

◇   ◆

 二十一日からは韓国・ソウルで第九回南北閣僚級会談が始まり、核問題が最大の議題になる見通しです。対話による平和的な解決、を最も強く主張し、外交努力を続けてきた韓国は、会談で国際社会の声を伝え、北朝鮮に核開発の放棄を促す考えです。

 問題解決の国連安保理への付託をめぐり北朝鮮は、「安保理の経済制裁は宣戦布告と見なす」と強硬な発言を繰り返しています。北朝鮮は、朝鮮半島の当事者としても、国際社会の一員としても、これ以上瀬戸際政策をエスカレートさせるのではなく、核開発計画の放棄こそが求められています。(面川誠記者)


北朝鮮の核問題をめぐる動き

1991年12月韓国と北朝鮮が「朝鮮半島の非核化に関する共同宣言」
1993年3月北朝鮮がNPT脱退を宣言(6月 保留を表明)
1994年6月北朝鮮がIAEA脱退宣言。米国が核攻撃をたくらむ。カーター元米大統領が訪朝し金日成主席との会談で北朝鮮が核開発の凍結、査察受け入れを表明
10月米朝枠組み合意
1995年3月朝鮮半島エネルギー機構(KEDO)発足
2002年9月日朝平壌宣言
10月ケリー米国務次官補が訪朝の際、北朝鮮が核開発計画の存在を認めていたと発表
12月米国が北朝鮮への重油供与を停止。北朝鮮が核施設の封印撤去、IAEA査察官を追放
2003年1月7日日米韓局長級協議で共同声明。北朝鮮の核問題の話し合い解決をめざす
10日北朝鮮がNPT脱退を宣言

もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp