2002年12月30日(月)「しんぶん赤旗」
【パリ29日浅田信幸】北朝鮮の核開発再開問題について、二十九日付の有力紙ルモンドは「相手国の立場の誤った評価で激化した紛争」であり、背景にブッシュ政権登場以来の「対北朝鮮強硬姿勢」があると指摘し、危機打開のために「国際的仲介」が必要だとする解説を掲載しました。
同解説は、現在の緊張の拡大が「大部分はそれぞれの立場の誤った評価」に端を発しており、危機の「暴走という明白な危険」をもたらしかねないとの懸念を表明。
この緊張拡大は「背景にブッシュがホワイトハウスに入って以後の米国の対北朝鮮強硬姿勢」があり、この強硬姿勢は韓国との意見調整もないまま決定されたと指摘。さらに、危機が拡大するなかで北朝鮮側が不可侵条約を呼びかけたことにも米国は相手にせず、「初めから対話を封じた」と米国の対応に批判的な見解を展開しています。
そのうえで、危機打開の選択肢は「論理上」、(1)軍事作戦(2)北朝鮮を窒息させる(3)対話の継続―の三つだが、最初の二つは人的被害を考えれば排除されるとし、対話と協力の追求が「もっとも現実的」であること、そしてこの結論こそ一九九八年に米国のペリー特使が出した結論でもあったと指摘。「耳を貸そうとしない者同士の対話は、極端に走る危険を阻むために、ある時点で国際的な仲介を必要とする」と締めくくっています。