日本共産党

2002年12月28日(土)「しんぶん赤旗」

査察官の追放決定

北朝鮮がIAEAに書簡


 北朝鮮国営・朝鮮中央放送などは二十七日、李済善・北朝鮮原子力総局長が同日、国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長に書簡を送り、IAEA査察官の追放決定を通告したと伝えました。

 現実に査察官が追放されれば、国際的な核管理の枠組みであるIAEA体制から、北朝鮮が事実上、離脱することを意味します。IAEAは来月六日にも緊急理事会を招集し、北朝鮮問題の国連安保理事会への付託について協議します。

 書簡は、「核施設凍結が解除されたことによって、朝米枠組み合意に基づいて核施設の凍結監視のために寧辺に常駐しているIAEA査察官の使命は自動的に終わった」と主張。「査察官がこれ以上わが国に常駐する名分がなくなった条件のもとで、わが国政府は彼らを送り出すことを決定した」と述べています。

 また、「抽出される多くの燃料棒を安全に保管する準備の一環として、放射化学研究所を稼働させるだろう」と予告しました。放射化学研究所は、核兵器の原料となるプルトニウムの抽出が可能な使用済み核燃料再処理施設です。

 書簡は、「電力生産に必要な核施設の稼働と建設を即時再開する」と主張していますが、放射化学研究所を再稼働させれば、核兵器開発が可能になります。


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