2002年12月26日(木)「しんぶん赤旗」
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【イスラマバード24日山崎伸治】志位和夫委員長を団長とする日本共産党代表団は二十四日午後、パキスタン大蔵省で、シャウカット・アジズ財務相(首相顧問)と会談し、貧困とテロ、国際経済の問題などについて意見交換しました。
アジズ財務相は、日本とパキスタンとの経済関係を説明するなかで、「日本共産党について研究しました。貧困の削減などの課題を日本に期待しています。貧困を削減できれば、過激主義に対処できるからです」とのべました。
これに対し志位氏は、「テロの温床に貧困が存在するという指摘は、私もその通りだと思います。パキスタンの経済の前途はみなさんが決めることですが、いま財務相が言われたことに関連して、国際社会が考えるべき問題が二つあります」とのべました。
志位氏は、第一に、パキスタンが世界最大の難民受け入れ国であるとして、それによる経済負担の深刻さを指摘。一九七九年のソ連によるアフガニスタン侵攻以来の長年の戦火のなかで、三百万人の難民が押し寄せたことをあげ、「国際的な支援が当然です。とりわけ、この地域に戦火を引き起こした大国の責任は重大だと考えます」とのべました。
第二に、経済の国際化という場合、大国中心ではなく、諸国間の平等と主権を尊重したものでなくてはならないと指摘。問題解決の第一歩として、「重債務国に対しては、債務の帳消しあるいは軽減が必要です」とのべました。
これらの指摘に財務相は「まったくそうです。私も同意します」とのべました。
会談で志位氏は、ソ連のアフガン侵略開始当時、赤旗特派員だった緒方靖夫党国際局長がカブールで十日間の調査を行った結果、ソ連による侵略だと判断し、日本共産党が抗議したというエピソードを紹介。志位氏が「ソ連共産党と激しい論争になりましたが、向こうが先につぶれてしまいました」とのべると、財務相は「答える前につぶれたわけですね」と応じるなど、対話がはずみました。
最後に、志位氏が「イランのハタミ大統領の訪問中の多忙なときに会談に応じていただき、うれしく思います」と感謝をのべると、財務相は「お会いしたかったからです。日本共産党は重要な党です。私たちはあなたの訪問に大きな価値を見いだしています」とのべました。
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【イスラマバード24日山崎伸治】志位和夫委員長を団長とする日本共産党代表団は二十四日、十一月に総選挙が行われたばかりのパキスタン下院のサルダール・ムハンマド・ヤクブ・カーン副議長と国会内で会談しました。
ヤクブ・カーン副議長は「パキスタンにみなさんがいらして、光栄に思います」と一行を歓迎。志位氏は日本共産党がアジア諸国政府との交流を強め、その一環として南アジア三カ国を訪問していることを説明しました。
副議長は「最近選挙を行い、組閣が進んでいるところです」とのべ、下院に史上初めて女性が七十二人選出されたことなどを紹介。志位氏は「パキスタンの民主主義の発展のプロセスが前進することを望んでいます」とのべました。
志位氏はパキスタン政府との会談で、イラク問題を平和的に解決することなどで一致できたことなどを説明すると、副議長は「おっしゃるとおり、平和的解決を見いだすべきです」とこたえました。
また志位氏が、インド訪問の際に核兵器廃絶、インド・パキスタン紛争について率直な要請をしたことを伝えると、副議長は「ありがとうございます。ぜひこれからもみなさんの努力をお願いします」とのべるとともに、「もちろん私たちは核戦争はしません」と表明しました。さらに副議長は、日本の国会議員との交流をいっそう進めたいとして、「将来、また国会の代表にきていただきたい」とのべました。
会談後、志位氏ら一行はパキスタンの国会議事堂を見学しました。