2002年12月22日(日)「しんぶん赤旗」
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【コロンボ20日山崎伸治】スリランカを訪問中の志位和夫委員長を団長とする日本共産党代表団は二十日、ラニル・ウィクラマシンハ首相を首相官邸に訪ね、会談しました。
志位氏は同国内の民族紛争解決に向けた和平プロセス(別項)について、「和平プロセスを歓迎し、成功をおさめることを願っています」とのべるとともに、首相が今月初めの来日中の講演やテレビ・インタビューで、「この紛争が解決すれば、南アジアの平和に寄与するだけでなく、世界に紛争解決の新たなモデルを提供することになる」とのべたことを「印象深く聞きました」とのべました。
首相は「スリランカの問題に関心をもっていただき感謝します」とのべ、和平プロセスが、これまでの世界の紛争解決の方法を研究して生み出されたもので、経済的側面を重視したものであると説明しました。
イラク問題をめぐっては、志位氏が米国による一方的な武力行使に反対し、国連の枠内での平和的解決を強調。首相は「私たちも憂慮しています。国連のプロセスは支持すべきです」とのべ、志位氏が米国もイラクも国連安保理決議一四四一を順守する必要があると指摘すると、首相は「その通りです。戦争には反対です」とのべました。
さらに志位氏は、スリランカが非同盟運動の創設前から今日にいたるまで果たしている積極的役割に言及。「今日、一国主義的で覇権主義的な政策に反対し、平和・公正・民主的な国際秩序をつくる運動はいよいよ大切です」とのべました。首相は「非同盟運動には果たすべき大きな役割があります。来年二月のクアラルンプールでの首脳会議はそのことを示すものになるでしょう」とこたえました。
核兵器廃絶の問題では志位氏が、「期限を切った核兵器廃絶という非同盟諸国による(国連での)提案に、スリランカ政府が果たしている役割を高く評価しています」とのべ、最近の原水爆禁止世界大会には政府代表が参加し、多くの国家元首・政府首脳のメッセージが寄せられていることを紹介。首相は「核兵器廃絶は非同盟で力を合わせてやってきました。私たちもいろいろな国際的フォーラムや会合に積極的に参加したい」と答えました。
スリランカの和平プロセス=スリランカでは二十年以上にわたって、政府とタミル人武装勢力(タミル・イーラム解放のトラ)との間で武力紛争が続き、今年十二月に和平合意が成立。連邦政府樹立に向けた和平プロセスが進行しています。