2002年12月20日(金)「しんぶん赤旗」
【コルカタ18日小玉純一】インドを訪問中の志位和夫委員長を団長とする日本共産党南アジア訪問代表団は十八日、西ベンガル州政府のブダデーブ・バタチャリア首相と会談しました。
同州は二〇〇一年五月の州議会選挙でインド共産党(マルクス主義)=CPIM=を中心とする左翼戦線が勝利し、一九七七年以来二十五年、六期目の左翼政権を維持しています。
会談では志位氏が土地改革や自治体の活性化、教育の増進などの左翼政権の成果についてたずねたのに対し、首相が丁寧に説明しました。
そのなかで首相は、一カ月前に始めたばかりの「グリーン・カード」という貧困層の優遇制度を紹介。「貧困層は貧しいなかでも最も貧しい人たちです。きびしい財源のなかでも貧困対策は最優先です」と強調しました。志位氏は「まず大切な財政はともかくここに使うという考え方ですね。左翼政権の力の源泉を見る思いがします」とのべました。
経済問題をめぐっては首相が、海外からの投資の引き入れに力を入れていることを説明。同時に経済の「グローバル化」については、「経済の自主性と公開性の確立が重要です」とのべ、志位氏が「国際化のなかで、それぞれの経済主権を守ることが重要です」とのべると、首相は、「経済的にも政治的にも自主性を確立せねばなりません」とこたえました。
さらに左翼政権が六期目の勝利を収めた一番の要因は何かと志位氏がたずねると、首相は「二十五年間には多くの成果とともに失敗もある。より良い左翼政権に自己改革することが重要です」とのべました。
そして志位氏が「西ベンガルに住む八千万人といえば、地球人口の八十分の一です。みなさんの事業は世界にとっても重要です。さらに前進することを願っています」とのべると、首相は「困難ですがやらねばなりません」とにこやかに力強くこたえました。