2002年12月19日(木)「しんぶん赤旗」
|
ディグヴィジャイ・シン外務担当国務大臣との会談は十七日午後、インド外務省でおこなわれました。
シン氏は志位委員長に「ようこそおいでくださいました」と日本語であいさつし、「志位委員長閣下にお会いできることを楽しみにしていました」と歓迎の言葉をのべました。志位委員長は英語で「お会いできて光栄です」とこたえ、和やかな雰囲気がひろがりました。
志位委員長が、日本共産党について英文リーフレットを手渡して自己紹介すると、一九八〇年代に東大留学の経験のあるシン氏は、「日本共産党についてはよく知っています。アメリカにたいしてもそのほかの国にたいしても自主独立の党であり、私は常々立派だと思っていました」と、自身の経験から党への理解と関心を示しました。志位氏は、非同盟運動で重要な役割を果たしてきたインド政府と意見交換をおこない、交流を開始することが訪問の目的であるとのべました。
シン氏は、志位氏がインド訪問直前に東京での米国によるイラク攻撃反対の集会とデモに参加したことを紹介したのに対し、「イラクであろうとどの国であろうと、他国の主権侵害には絶対に反対です。一方的な軍事攻撃は許されません」と強調。「イラクに対しては、もちろん査察を受け入れるべきだ、と主張している」とのべました。
さらに「イラク問題を解決できるのは国連です」と指摘。「その国の指導者を決めるのはその国民です。そのことを明確にしているのがインド政府です」とのべ、この立場は、非同盟というインドの伝統的な政策に確固としてもとづくものと説明しました。
志位氏は、「いま説明されたイラク問題でのインド政府の立場に同意する。たいへん心強い言明として聞きました」とのべ、「インドの外交方針の伝統である非同盟の精神で問題にあたってほしい。あくまでも国連の枠内で平和的に解決すべきです」と応じました。
シン氏はインド政府の立つ外交原則が「自由と独立を目指すたたかいでつくりあげられたものです」と強調。「独立から五十年後も、どの国に対しても不法なやり方を許さないというものです」とのべたうえで、「日本共産党がそれと同じ立場にあることをうれしく思います」と表明しました。
志位氏は、「インドの非同盟政策の根源が深いことが分かりました。英国からの独立闘争が大きな源流となって、今日に脈々と流れていることを感じました」とのべ、握手を交わしました。