2002年12月2日(月)「しんぶん赤旗」
公明党は日本共産党にたいして、「北朝鮮を『地上の楽園』と賛美して帰国運動を進めた」「凍土の地獄へ送る行為」と非難しています。
ラングーンでの爆弾テロや大韓航空機爆破事件など国際的無法行為を犯した七〇年代以降の北朝鮮に迎合し追従してきた事実をつかれて窮し、六〇年代の話を持ち出して相打ちにしようとしているのです。
ところが、在日朝鮮人の帰国事業には、公明党、創価学会自身が賛成者だったのですから、この非難はこっけいきわまるものです。
戦時下に朝鮮から日本へ強制連行された朝鮮の人々の北朝鮮への帰国事業とは、一九五六年の赤十字国際委員会の勧告に始まり、日朝両国の政府の了解のもと、日朝両国の赤十字社が主体となって実施された事業です。
日本国内でも「自国に帰る権利」を支持する立場から超党派で在日朝鮮人帰国協力会を結成。小泉首相の実父・小泉純也衆院議員や鳩山一郎元首相、浅沼稲次郎社会党委員長、宮本顕治日本共産党書記長も参加していました。
公明党は、この帰国事業の支援活動に加わっていたことで、日本共産党を「犯罪者」呼ばわりしようとしていますが、小泉純也氏や鳩山一郎氏をはじめ多くの保守政治家も“犯罪者”扱いするのでしょうか。
なにより、公明党・創価学会自身がこの帰国事業の賛成者だったことをどう説明するのでしょうか。
一九五八年には東京都議会で、決議された「在日朝鮮人帰国促進にかんする意見書」の提出者に創価学会理事長だった小泉隆都議がなっています。創価学会の白木義一郎関西総支部長は聖教新聞紙上で「心配しないでしっかり信心して北鮮支部長ぐらいになりなさい、といってあげて下さい」(五九年三月六日付)とまでいっているのです。
また、七〇年には公明党の沖本泰幸衆院議員が「現に困っている方々の帰国を進めてあげるような方法をとるべきである」(七〇年四月十三日)と求めています。
このことはグリーンパンフに明快に書かれています。
ありもしない「罪」を日本共産党になすりつけようとして、自分で持ち上げた石を自分の足の上に落としてしまったのです。