2002年11月23日(土)「しんぶん赤旗」
「『戦争と女性への暴力』日本ネットワーク」(バウネットジャパン)は二十一日、「『慰安婦』・朝鮮植民地支配の責任を曖昧にしない日朝国交正常化交渉を求める」とする小泉純一郎首相と川口順子外相あての緊急声明を発表しました。バウネットジャパンは、日本政府と天皇の戦争責任を断罪した民間法廷「女性国際戦犯法廷」を主催した市民団体です。
声明は、拉致事件について、個人の人権を踏みにじる国家暴力は許せないとして、被害者の人権回復、平和に生きる権利の回復を願うと表明。その上で「だからこそ、私たちは、『慰安婦』や強制連行の被害者が同じ苦痛と悲しみを受けたことを、今こそ強く自覚する必要があります」と述べています。
声明はまた、反北朝鮮感情の加速で、在日朝鮮人の生存権すら脅かされるような事態は、植民地支配の責任と戦争責任に真摯(しんし)に向き合ってこなかった日本政府の外交姿勢と、歴史認識を欠き、権力批判を弱めるメディアの報道姿勢がもたらしたと指摘。在日朝鮮人をこれ以上窮地に陥れたり、差別意識をかき立てたりしないよう訴えています。
同時に、国交正常化交渉の場で「慰安婦」問題の解決を「経済協力」の名のもとで曖昧(あいまい)にせず、被害者に対する過去の清算を誠実に進めるよう日本政府に求めています。