2002年11月17日(日)「しんぶん赤旗」
『文藝春秋』十二月号は、拉致問題で日本共産党を攻撃する一文を掲載していますが、これにたいし、日本共産党はただちに反論の掲載を要求。橋本敦前参議院議員が執筆した反論を、同誌編集部に届けましたが、同誌はその掲載を拒否しました。日本共産党は十六日、中央委員会広報部名で松井清人『文藝春秋』編集長にあてた抗議文を同誌編集部に手渡しました。抗議文の全文は以下の通りです。
『文藝春秋』十二月号は、「不破共産党議長を査問せよ」と題する、「元共産党国会議員秘書」兵本達吉名の記事を掲載している。これは、「日本共産党こそ拉致調査を妨害した元凶である」として、もっぱら日本共産党を攻撃する記事である。
「筆者」自身、「すごいタイトルになっている。文藝春秋の編集部がつけた」と述べている(九日付公明新聞)ように、記事内容は、表題に合わせてウソと歪曲をならべたてた、兵本氏と編集部の合作というべきものである。文藝春秋社はいま、この記事を今号の最大の売り物の一つとして大宣伝している。
わが党は、この記事にたいする反論を次号に掲載するよう、ただちに貴編集部に申し入れた。編集部はこれにたいし、「反論なら『赤旗』に載せればいい」「不破議長が兵本と対談するなら載せてもいい」などと無礼な言辞を繰り返しつつ、反論原稿を見て判断するという態度をとった。反論原稿は「個人名で」といい、その締め切りについても、最初は「二十日頃」といい、ついで「今週中」と注文をつけた。
わが党は、貴編集部の注文に応じて、兵本氏が秘書として働いたその「国会議員」本人である、橋本敦前参議院議員が反論の執筆をおこない、その橋本氏の原稿を貴編集部が課した期限内、十五日金曜日に届けた。ところがあなたは十六日、「この原稿は反論になっていない」として、掲載を拒否した。
「日本共産党こそ拉致調査を妨害した元凶である」とする批判にたいして、拉致問題に日本共産党がどのように取り組んできたかをその当事者が正面から論じた原稿を、「反論になっていない」などということは、まったく道理のたたない態度である。
日本共産党と不破議長の名誉を傷つける文章を掲載し、その筆者と連携しつつ、日本共産党の反論も認めないなどという態度は、少しでも良識のあるジャーナリストなら恥ずかしくてとれない異常きわまるものである。わが党は断固として抗議するものである。
二〇〇二年十一月十六日
日本共産党中央委員会広報部
松井清人『文藝春秋』編集長殿