2002年10月31日(木)「しんぶん赤旗」
日本と北朝鮮の国交正常化交渉第十二回本会談は三十日、クアラルンプールのホテルで二日目の会談を行い、二日間の日程を終了しました。日本政府代表の鈴木勝也大使は会談後の記者会見で、二日間の協議について発言しました。
このなかで鈴木大使は「拉致問題、核問題をはじめとする安全保障上の問題を最優先課題として臨んだ」と日本側の立場を説明。
拉致問題について、「北朝鮮側の立場の変化は見られず、家族の具体的な帰国日程の確定には至らなかったことは遺憾だが、北朝鮮側は、拉致問題についてはきれいに解決したい、被害者の家族の安全について心配する必要はない旨のべていた。今後ともきぜんとした態度で交渉にあたっていきたい」とのべました。
核問題については「日朝平壌宣言の順守ということから提起をしている」と北朝鮮側に伝え、IAEA(国際原子力機関)保障措置協定完全履行に向けた査察の速やかな受け入れなどを要求したことを明らかにしました。
さらに「今回、大きな成果が得られたわけではないが、日朝双方が日朝平壌宣言にしたがい、解決に努力することについては意見の一致があり、今後とも国交正常化交渉に粘り強く取り組み、諸懸案の解決を目指したい」と表明。次回の国交正常化交渉について、北朝鮮側が十一月末の開催を提案したことに、「持ち帰り、検討の上、できるだけ早く具体的日程を調整することにした」とのべました。