2002年10月29日(火)「しんぶん赤旗」
【ロスカボス27日遠藤誠二】メキシコの保養地ロスカボスで二日間の日程で開かれていたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議は二十七日、「北朝鮮に関する首脳声明」を採択、同国に核兵器開発の放棄を強くよびかけました。
声明は、「朝鮮民主主義人民共和国が、アジア太平洋の共同体に参画することで経済的な利益を受ける潜在性について留意する」として、北朝鮮のAPEC加盟の可能性について言明しながら、「その見通しも朝鮮半島が非核化することにかかっている」と指摘。核不拡散体制支持を表明しながら、「核兵器のない朝鮮半島が同半島と北東アジアの平和と安定にとって重要であり、同地域内の諸国の利益にかなうことになると支持する」とうたっています。
そのうえで、同国にたいし「核兵器開発を放棄するとの誓約を目に見える形で守るよう」要求し、APEC首脳も同問題の「平和的解決を確かにする努力を再確認する」と強調しています。
環太平洋地域の諸国が経済分野で協力強化・促進をはかるAPECの首脳会議が、特定の国家にかんして政治的な声明を発表するのは異例のことです。