2002年10月21日(月)「しんぶん赤旗」
【ワシントン20日浜谷浩司】北朝鮮が核兵器を開発していたことに関連して、パウエル米国務長官は二十日のテレビ番組で、一九九四年の米朝枠組み合意は事実上無効だとの認識を示しました。
同長官は、「北朝鮮側が(核兵器開発を)認め、合意を無効とみなしていると述べている以上、合意は無効だ」と述べました。ただ、同合意に盛り込まれている北朝鮮への経済援助を停止するかどうかには、「同盟諸国などとも十分協議のうえで検討している」としています。
一九九四年の米朝枠組み合意は、米国が、北朝鮮が核兵器の開発を放棄するのと引き換えに、毎年五十万トンの重油を北朝鮮に提供することを定めていますが、その見直しが指摘されています。また、朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)の扱いも再検討される可能性があります。
北朝鮮の核兵器開発が明らかになって以来、米国内ではブッシュ政権に対して、大量破壊兵器開発問題でのイラクと北朝鮮に対する政策に矛盾があるとして、北朝鮮への態度を硬化させるよう突き上げる声が強まっています。
一方、二十日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、ブッシュ政権が米朝枠組み合意を破棄することを決定したと報じました。
北朝鮮が核兵器開発を進めている事実を今月初めに認めて以来、ホワイトハウスでは同合意を破棄するかどうかについての議論が行われ、一部の側近は、合意を破棄すれば、北朝鮮がいっそうの核開発に進む恐れがあると警告していたといいます。