2002年10月18日(金)「しんぶん赤旗」
【ワシントン16日遠藤誠二】米国務省は十六日、先に北朝鮮を訪問したケリー国務次官補(東アジア・太平洋担当)に対し、北朝鮮が高濃縮ウランの施設建設を含めた核兵器開発の計画を持っていることを認めたとし、同計画の破棄を求める声明を発表しました。これに先立ち、アーミテージ国務副長官が同日、訪米中の橋本龍太郎元首相にこの内容を伝えました。
国務省声明は、「北朝鮮が秘密裏に核兵器を開発していたことは、米朝枠組み合意と核不拡散条約(NPT)、朝鮮半島の非核化にかんする南北朝鮮共同宣言の重大な違反だ」と非難。ブッシュ政権は「北朝鮮との関係改善に向けた大胆なアプローチ」を用意しているが、「われわれの懸念に照らして、このアプローチを追求できない」と表明しています。
米政府は同問題をめぐり、ボルトン国務次官(軍備管理、国家安全保障担当)とケリー次官補を日韓両国に派遣する予定。両代表は、十九日にソウル、二十日に東京を訪れます。
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韓国大統領府の発表によると、任晟準・大統領外交安保首席秘書官は十七日の会見で、「この問題は今後、必ず対話を通じて平和的な方法で解決されなければならない、というのが韓国政府の考えだ」と述べました。
小泉純一郎首相は十七日夜、北朝鮮が核兵器開発の継続を認めたことで、先の日朝首脳会談での北朝鮮側発言の信頼性も揺らぐのではないかとの見方に対し「だからこそ日朝平壌宣言を誠実に実行に移すことが大事だ。そのためにも(国交正常化)交渉が必要だ」と強調しました。首相官邸で記者団に答えました。
また、首相は核開発に関する米国からの伝達の時期について「前からそういう話し合いの上で訪朝したんだから」と述べ、訪朝前に聞いていたことを明らかにしました。