2002年10月16日(水)「しんぶん赤旗」
日本共産党の志位和夫委員長は十五日夕、衆院神奈川八区補選で応援入りした横浜・青葉区内での街頭演説で、日朝問題で日本共産党が果たしてきた役割を明らかにするとともに、拉致問題で事実をねじまげた公明党の反共攻撃をきびしく批判しました。
志位氏は、「日朝問題について日本共産党の果たしてきた役割を報告したい」とのべ、(1)日朝間に交渉ルートを開こうという提案をしてきたこと、(2)北朝鮮がおこなってきた国際的な無法行為をもっともきびしく批判してきたこと――の二つの角度から明らかにしました。
このなかで、九九年一月、十一月の国会質問で不破哲三委員長(当時)が政府間の交渉ルートを開くよう提案し、軍事的対応の悪循環を打開するとともに、ミサイル、拉致、過去の清算など日朝間の諸懸案を交渉のなかで解決することを提起したことを紹介。ラングーン事件(八三年)、大韓航空機爆破事件(八七年)など北朝鮮の国際的な無法をきびしく批判し、北朝鮮から攻撃をされた経過のなかで、九九年一月の不破提案も「国際的なルールを守らない国であることをよく知っている」との認識を示し、「相手がそういう状況にあるからこそ、日本の側が冷静な道理ある態度でのぞむ必要がある」との立場からのものだったと説明しました。
そのうえで志位氏は、「拉致問題について二つの点で、私たちの党が果たしてきた役割を知ってほしい」と語りかけました。
一つは、北朝鮮による拉致疑惑を国会で初めてまとまった形で提起し、政府に認めさせたことです。
八八年三月の参院予算委員会で橋本敦議員(当時)が、七八年夏に相次いだ行方不明事件をとりあげた質問にたいし、政府は「北朝鮮による犯行の疑いが濃厚だ」と、拉致疑惑が存在することを認めたのです。
二つめは、拉致の問題を解決する道理ある方法を提案したことです。
志位氏は、九九年十一月の不破提案は、無条件に交渉ルートを開き、交渉のなかで拉致の問題も解決するというものであったこと、「じっさいに今回の首脳会談というトップ交渉をおこなったからこそ、拉致の問題も一歩前進した」ことを強調。真相究明、責任者の処罰、謝罪と補償なども国交正常化交渉のなかで、またそれと並行して解決をはかるべきだとのべました。
さらに志位氏は、この拉致問題で公明党の神崎武法代表が、「共産党は拉致問題を棚上げにして日朝国交正常化交渉をやるべきだといってきた」と事実をねじまげて日本共産党を攻撃していることに反撃。「『棚上げ』などとんでもない。交渉ルートを開いて、交渉のなかで拉致の問題を解決をはかるべきだと、道理ある解決の道を主張してきたのが日本共産党です。だいたい公明党が拉致問題について、どういう解決の道をしめしたというのでしょうか。自分たちは道理ある解決の道はしめさないでおいて、道理ある道をしめした日本共産党を事実をねじまげて、ひぼう中傷するほど最悪の党利党略はありません」と訴えると、大きな声援と拍手がわきおこりました。