2002年9月24日(火)「しんぶん赤旗」
【ロンドン23日田中靖宏】日本などアジア十カ国と欧州連合(EU)十五カ国の首脳が一堂に会するアジア欧州(ASEM)第四回首脳会議が二十三日、デンマークの首都コペンハーゲンで正式に開幕しました。最初に行われた政治討議で、小泉首相の北朝鮮訪問を歓迎し、北朝鮮との対話の重要性を強調した「朝鮮半島の平和のための政治宣言」を採択しました。
宣言は首相の訪朝を「日朝間の諸問題、国際的な安全保障上の懸念を解決するための首脳レベルの対話」と評価。南北鉄道連結工事の再開など朝鮮半島の和解・協力の進展を歓迎しました。また「建設的対話を通じて北朝鮮を国際社会に関与させること」が北東アジアだけでなく世界全体の平和と安全保障をもたらすうえで重要だと強調し、米国と北朝鮮の対話再開に期待を表明しました。
これに先立つ二十二日の夕食会では、小泉首相が、北朝鮮の金正日労働党総書記との会談結果を報告、十月中に国交正常化交渉を再開して、そのなかで諸懸案の解決をはかると強調しました。訪朝にはアジア、欧州の双方の側から「北東アジアの平和と安定への大きな貢献」「緊張緩和にむけた重要な一歩」と評価する声が相次いでいます。
EU外交筋は、北朝鮮を「悪の枢軸」の一つとする米ブッシュ政権がなお警戒感を崩していないことも指摘しつつ、「アジアと欧州は北朝鮮を建設的な対話に引き入れることの重要性で一致している」とのべました。