2002年9月19日(木)「しんぶん赤旗」
十七日におこなわれた初の日朝首脳会談では、これまで両国が主張してきた諸懸案の解決について「包括的に促進するという方式」(局長級協議共同発表文)で協議した結果、日本人拉致問題をはじめ、さまざまな問題が確認されました。国交正常化交渉についても十月中の開催で一致。「問題解決を確かなものとする」(小泉純一郎首相)道筋が示されました。
会談では、日本側が最大の懸案としてきた日本人拉致問題で、北朝鮮側が事実を認めたうえで、謝罪しました。さらに不審船についても特殊部隊によるものと初めて認め、「今後は起こり得ない」と言明しました。
小泉首相は会談後の記者会見で、こうした「日本および日本国民の安全にかかわる問題や地域の安全保障問題について、日朝間で安全保障協議を立ち上げたい」と表明しました。
一方、北朝鮮が求めてきた「過去の清算」をめぐっては、日本側が「反省とおわび」を表明。植民地支配に対する「補償」の要求には、一九四五年八月十五日以前の財産請求権を双方が放棄する代わりに、日本が「経済協力」をおこなうことで基本的に合意しました。
このほか、日本が主張してきた南北朝鮮と日米中ロの六カ国による協議(六者協議)に対しても、北朝鮮は「参加する用意」を表明しました。