2002年5月10日(金)「しんぶん赤旗」
国後島の「友好の家」(ムネオハウス)建設予定価格が、釧路市の鈴木宗男事務所でコンサルタント会社や受注業者などとの会合後、約五千万円引き上げられていることが分かりました。日本共産党の小泉親司議員が独自調査にもとづき、七日の参院外交防衛委員会で明らかにしたもの。ムネオハウスをめぐっては、偽計業務妨害容疑で、鈴木氏の公設秘書や受注業者らが逮捕されています。
小泉議員は、一九九九年六月一日の支援委員会事務局での外務省ロシア支援室と支援委員会、日本工営の三者の会合で、ムネオハウス建設予定価格の目標額を三億五千万円にした、と指摘。これが同月三日の鈴木宗男事務所でのコンサルタント会社「日本工営」や受注業者らの会合直後の同月八日には、目標額から約五千万円高い、三億九千八百万円にはねあがったことを明らかにしました。
この一連の事実の確認とはねあがった理由について川口順子外相は、「捜査中であり、その協議にロシア支援室が参加したかどうかもふくめてコメントはさしひかえたい」とのべて、外務省ロシア支援室が参加したことも含めた事実確認をすべて拒否しました。小泉議員が指摘した事実は、外務省が予定価格水増しを容認した疑いがあることを示すもので、外務省の解明責任は重大です。