2002年4月19日(金)「しんぶん赤旗」
参院外交防衛委員会は十八日、北朝鮮による日本人拉致疑惑に関する質疑を行いました。
日本共産党の吉岡吉典議員は、この問題の解決に最も効果的な方法はなにか、知恵を出し合って対処することが必要だと主張しました。
吉岡氏は「外交交渉において事実を証明できる根拠がどれだけあるかが重要」と指摘。警察庁の説明では、日本の捜査当局が直接入手した証拠がないということや、被疑者も特定できていないことなどから、「一連の事案は警察白書でも『日本人拉致容疑事案』とされており『事件』として立件できていないが、その後、状況の変化はあるか」とただしました。
警察庁の漆間巌警備局長は「全体としては容疑事案にとどまっているが、事件化できるものについては事件と呼ぶようにしており、すでにそうしたものもある」と答えました。
日本共産党の小泉親司議員は「拉致疑惑の解決には北朝鮮との交渉のルートを開くことが必要だ」と指摘。「国交正常化交渉では何が問題となっているのか。北朝鮮側が『過去の清算』を求めているというが、正常化のためには重要な問題だ」とただしました。
外務省の田中均アジア太洋州局長は「国交正常化交渉が中断して一年半になるが、双方準備できたところで再開するという合意だ」とし、「『過去の清算』は重要だが、論点は多岐にわたり、粘り強く対応する必要がある。しかし、拉致疑惑が解決しないで正常化は無理ではないか」とのべました。
質疑に先だって、北朝鮮に拉致された疑いのある有本恵子さん、横田めぐみさんの両親が参考人として出席、それぞれ苦しい思いをのべました。